美僕アタック!~美少年の僕に全寮制男子校のみんな、さっさとアタックしてきてよね!~第4話(2015年5月お題SS)★お色気注意★

BL♂UNION

お題SSの形で進んでいく牛若の長期連載シリーズ『美僕アタック!~美少年の僕に全寮制男子校のみんな、さっさとアタックしてきてよね!』の第4話です。
5月のお題SSを兼ねています。




牛野若丸主催幹事発案の2015年5月お題SS。
お題は「金」「緑」「湯」。
4000字。




著作権表示:
Copyright (C) 2015 牛野若丸. All Rights Reserved.
2015年11月9日公開。




静川奏人(しずかわかなと):一年生。BLが好き。
一条勝樹(いちじょうかつき):一年生。奏人と小学校が一緒。奏人と寮の部屋が同室。
花宮上総(はなみやかずさ):三年生。生徒会長。三階寮長。




 もうゴールデンウィークになっちゃって、明日から三連休だっていうのに信じられない。みんな、いつになったら僕にアタックしてくれるの?
 入学式から約一ヶ月、僕は結構努力したんだよ。まず、第一攻略目標は花宮生徒会長――入学式当日は勝樹と行きずりセックスをしてのけちゃったみたいではあるけど――だから、彼にもっと近付くために僕は各クラス二人ずつ選ばれる学級委員に立候補した。この高校では学級委員が生徒会の会合に参加する仕組みになっているからね。
 もう一人目にどんな素敵な「攻めその二」が名乗り出るか、固唾をのんで見守っていたんだけど、そこでまた腹立たしいことに、勝樹が立候補しちゃったんだよ。ほんと、空気読んでほしいよね! さわやかな外見に似合わず花宮会長を誘惑する淫乱受けだなんて、信じられないよ。
 他に立候補はいなくて、一組の学級委員は僕と勝樹で決定しちゃった。せっかく学級委員と生徒会長の間で揺れ動く美少年ライフが楽しめると思ったのにね。でもまあ、これで僕は花宮会長をゲットすることに集中できるとも言えるかな。
 せっかく学級委員になったけど、学園ものの王道みたいに生徒会や学級委員が大忙しってことはないみたいで残念だった。四月はたった一回、顔合わせのために学級委員と生徒会が集う「執行部会議」っていうのを十五分やっただけで終わっちゃった。しかも、どんな人なのか気になる副会長は風邪で欠席していたし、花宮会長も自己紹介しただけで、あとは一年間の仕事の説明だけだったんだ。まるで、絶頂直前で中芯の根元を握って焦らされているような気分だよね。
 それにしても、やっぱりこの学園のみんなはヘタレだよね。僕にアタックしてくる攻めがいないどころか、友達になろうとする人もいないなんてどうかしているよ。みんな、そんなに僕の美少年ぶりが神々しすぎるってこと?
 とりあえず、第一攻略目標の花宮会長を早くゲットしなきゃ。執行部会議は期待外れだったけど、幸い会長は僕たちの住む三階の寮長でもあるからね。
 明日から三連休。甘之口高校のほとんどの生徒は、実家に帰ることにしているみたい。そんな鬼のように遠くから通っている人はいないから、そりゃ久々に家へ帰るのが普通だもんね。
 だけど、僕は帰らないよ。だって、化粧品会社の女社長の母さんはどうせ仕事だからね。
 僕はあの寂しさがいやだったから、この高校に入ったはずなのに。どうしてなんだよ? どうしてみんな、こんなにヘタレでチキンなの? 早く僕を愛してよ。全寮制男子校に僕みたいな美少年がいたらハアハアしたくなるでしょ? そう叫びたくなるのを僕はイメージダウンを怖れて懸命にこらえていた。
 終礼が終わって、うるさい勝樹の話を無視しながらいつもの卑猥な三六九号室を目指していたら、後ろから聞き慣れた心地いい美声に呼び止められた。
「奏人くん」
「あ、花宮会長っ……!」
 僕はもともと聞いていなかった、淫乱受けの勝樹の言葉をぴしゃりとさえぎって、ガラスの瞳の上目遣いで会長を見つめる。
「奏人、俺の話終わってないぞっ」
 不満そうな大型犬は無視して、僕は会長に色気たっぷりの微笑光線を送る。
「ふふふ、今日も可愛いね。奏人くんは明日からは実家かい?」
 眼鏡の縁を中指で押し上げながら優しくささやく花宮会長に、僕は陰のある切ない声で答えた。
「実は僕……家に帰ってもたぶん誰もいないので、この三連休は寮で独りぼっちなんです……」
「おい、奏人……!」
 はいはい、勝樹のことは無視しちゃうよ。だって、ここは僕の一番大切な見せ場なんだからね。
 寂しいよ会長。僕、寂しくてたまらないんだ。
 そんな心の声を込めて、会長のハイスペック攻め心をくすぐるような神ゼリフを言ってみせると、案の定会長は庇護欲をくすぐられたようで、僕を心配そうな目で見つめてきた。
「ごめんね。僕は明日から実家で用事があるんだよ」
 悲しそうな声で言われる。
 え、何だよそれ。三連休の僕を寂しいウサギちゃんにする気?
 そう思ったところで、なぜか花宮会長はにっこりと笑いかけてくる。
「でも、出発するのは明日の夕方なんだ。明日、僕と一緒に遊ばないかい?」
「え……わ……あ、ありがとうございますっ……!」
 うわ、僕ってツいてるな! 会長からデートのお誘いが来るなんて! やっと僕のバラ色の美少年ライフだね!
「――あの、俺も独りぼっちなんで」
 へっ? 僕と会長がハモる。どうしてそこに勝樹も登場してくるんだよ。「独りぼっち」とか言いながら、顔は随分と余裕だし。
「勝樹は実家に帰ればいいじゃん」
「俺は……ああ、やっぱり奏人、分かってくれないんだな……」
 いきなりそこで寂しそうに目を細められると、僕も面食らっちゃうよ。なんだか見ていて悲しくなっちゃう目だし。
「よし了解。じゃあ明日は昼まで僕たち三人で遊ぼうね」
 優しい花宮会長の鶴の一声で、僕たちは三人で遊ぶことになっちゃった。

 でも、これは僕と花宮会長との初デートだからね。全寮制男子校のみんなを魅了する小悪魔の美少年――にこれからなろうとしているところ――なんだから、僕がリードしなくちゃ。
 会長が実家に出発する時刻を聞いて、僕は最後のデートスポットに取っておきの場所を選ばせてもらったんだよ。学園から近い繁華街のゲームセンターで遊んだりカラオケで歌ったり――勝樹はにこにこと大型犬兼金魚のフンのように付いてきていたけど――、とりあえずそんな楽しいひと時を過ごした後、いよいよ僕のお目当ての勝負スポット、銭湯へやってきたんだ。普段はシャワーだし、寮にある浴槽は交代で使う小さいやつだから、大浴場は久しぶりだよ。
 昼三時の開店と同時に入ったから、まだ僕たちしかいないみたい。別に温泉っていうわけではないから、そんなに人気はないみたいだし。
「勝樹は帰ったら? 僕は会長と二人でお風呂での裸の付き合いをするんだからね」
「いや、俺も混ぜてくれよ~。奏人と風呂に入るのは修学旅行以来だし」
 そう言って頭をなでてくる勝樹に面食らう。だって、あんな緑のコケだらけの民宿でやった大人数のカラスの行水なんて、ほとんど思い出せないからね。
 さあ、脱衣所にやってきたよ。僕がここで気を付けないといけないのはチラリズム。互いの裸を見慣れたカップルは倦怠期に入ってセックスレス→破局のケースが多いらしいんだ。僕の股間はチラリと見せるだけにしておかないとね。
 僕はゆっくりとトレーナーとTシャツ、ハーフパンツを脱ぎ捨ててかごに入れる。左隣に花宮会長だ。右隣の勝樹は無視する。
 女湯の世界は知らないけど、男湯は高校生ぐらいからは「無理には隠さない、積極的には見せない」が暗黙の了解なんだ。ハンドタオルを腰に巻く上品な人も、浴槽との段差とかでは無理に隠したりしないし、逆に全裸で堂々と歩く人も、見えにくいアングルで動いたりするんだよ。そんな中で、僕はもう少しチラリズムを大事にしようと思うんだ。
 トランクスを脱ぎ捨てるのと同時にさっと腰にハンドタオルを巻く。上すぎず下すぎず、ほどよく先端が定期的に見えるようにね。パンチラならぬ●ンチラだよね。
 さて、僕にまだ明確なアタックをしてくれないヘタレの花宮会長は、実に優雅な仕草でボクサーパンツ一丁になっていた。そのまま自然な手つきでさらっと僕と同じ腰タオル姿になる。
「ふふふ、可愛いね」
 僕のむき出しの肩に手を置いた会長がにっこりと笑う。会長、僕の白い肌に興奮してくれているんだね。本番はこれからだよ。勝樹が上がった後に頑張ろうね。
「うっ」
 後ろで勝樹が変な声を出しているけど、僕は気にしないよ。だって、勝樹は入学式当日に会長をトイレに呼び出して個室でひとセックスしてのけるぐらいの淫乱受けだからね。あれは会長の遊びなんだよ。いよいよ会長は僕を愛することで本当の恋を知るはずなんだ。
 僕と花宮会長は仲良く大浴場の中へと入っていく。中は学校の教室ぐらいの広さしかなくて全面大理石だけど、開店直後だからぴかぴかだ。
 さて、ここで僕が元気なやんちゃ受けなら早速腰のタオルを投げ捨ててどぼんと浴槽に飛び込むところだけど。それにエロスがあるかっていうと疑問が残るよね。どうしようかな、と思っていたら会長は真っ直ぐ横に進んで身体を洗い始めたので、僕はその隣に座った。よし、最高のチャンスがやって来たよね。
「あっ勝樹、僕の隣に来なくていいのに」
「そんな悲しいことを言わないでくれ」
 勝樹は寂しさの混じった笑顔で返してくるけど、そんなのは無視だ。
 会長がさらさらの髪に丁寧にシャンプーをなじませている隙に、僕は大急ぎで自分の全身をボディソープで洗った。髪もいっぺんにね。急がないといけないから。
 会長が桶の湯で髪を洗い流したのを確認したところで、僕はさっとその後ろに腰タオル姿で立った。
「会長」
「ぎゃ!」
 僕が背中に手を置くなり花宮会長がひどい悲鳴を上げるものだから驚いちゃった。確かに、むき出しの肩に触られるのはさっきの僕も経験したけど、結構興奮するよね。
「な、何だい、奏人くん?」
 会長は僕の方を振り返らず、鏡の方を凝視して答える。ふふふ、ばれてるよ。鏡越しに僕の中芯を鑑賞したくてたまらないんでしょ? だってチラリと先端が見えるもんね。
「先輩、僕が背中を流しますよ~」
 可愛らしい声で言ってみると、先輩は「あ、ありがとう」と色っぽく答えた。僕は先輩のタオルにたっぷりとボディソープを付けて背中を優しく揉みほぐすように磨く。力を入れるためにアキレス腱を伸ばしてみたら。
「おい奏人っ、その、金(きん)……がっ」
「へっ?」
 ちょっと勝樹、せっかくいいムードだったのに、浴槽に入る前からのぼせたような顔で僕に卑猥な言葉を言うなんて。金なんとか、ってロマンチックじゃないよ。双球って言うんだからね。
 僕はそんなことを思いながら会長の背中を一生懸命洗った。やっぱり勝樹のいない時にもう一度来なきゃ、そう思うのだった。

(続)




こんにちは、作者の牛野若丸です。
なかなかBLらしい愛のある展開にならなくてすみません(笑)
ぶっ飛んだ奏人の脳内に苦笑する日常ものとしてw、ゆっくりとお付き合い下さいませ(ぺこり)
新キャラも少しずつ増えていきますよー^
次回の6月分をお楽しみに~♪
それでは今日はこの辺で失礼しますね!

牛野若丸

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